| asin | 4296207830 |
| 出版日 | 2025-06-29 |
| 出版社 | 日経BP |
| 著者 | ボストン コンサルティング グループ |
| レーティング | 中 |
| レーティング取得日 | 2025-08-19 |
| 概要 | |
| 詳細 | IT・デジタル投資で、様々な業界の様々な企業が取り組みに失敗している。それは日本だけではないが、日本に多いのも事実である。 日本企業や日本の人々は、真面目に、規律正しく、品質にこだわり、決められた役割だけに縛られず人のためにも動く。このような文化を持っているのに、なぜ無駄なことをやってしまうのか。なぜすれ違っていくのか。なぜ生産性が低くなってしまうのか。 経営としてIT・デジタルを活用していくための心構えから、最適な投資についての考え方を、日本企業は早急に学ぶべきである。単なる正論や進め方を学ぶだけでは十分ではない。先人が失敗した内容、失敗の理由、失敗を回避するにはどうすべきなのかを理解し、投資の最適化を進めるべきである。つまり、失敗を学び失敗を減らす、ということだ。 IT・デジタル投資に関して業務効率・コスト効率のみを求めるがゆえの悪循環が起こっている。低いレベルでの均衡を脱却し、すべての企業がIT・デジタルを自社内で自在に扱えるようにする「手の内化」を実現し、ビジネスの成長につなげられることを願っている。 (「はじめに」より一部抜粋) <目次> 第1章 なぜ日本企業はIT投資で失敗するのか ●日本企業が置かれている状況と直面している課題 〝守り〟のために事業側企業のIT投資の増加が続く/業界・企業により異なるIT投資、レガシーシステム脱却状況/レガシーに依存する小売業/先進的な大手チェーンが躍進する飲食業/IT投資とレガシー依存の金融・保険業/地方のデジタル化が遅れている電気・ガス/「翻訳力」が不足している製造業/デジタル化が進まない不動産業/デジタル化が遠い農業・林業、漁業/メインフレームの登場から現在に至るまでのテクノロジーの進化/クラウドからデジタルへ/システム導入に関する海外との思想の違いとその影響/日本・海外におけるIT人材の位置づけと人材マーケットの違い ●レガシーシステムからの脱却 日本企業に警鐘を鳴らしていた「2025年の崖」とは/「攻め」のITへ向かうのか/DXになかなか成功できない日本企業/経営層のIT・デジタル領域における専門性の低さ/IT部門の人材不足/事業側企業における課題のまとめ ●ベンダー企業が置かれている状況と直面している課題 IT業界の構造の変化と事業側企業との関係性/事業側の人材不足がベンダー依存を深刻化/ベンダー企業における人材不足の実態/ベンダー企業における課題のまとめ ●政府・官公庁の動き 政府のIT投資適正化・レガシーシステム脱却への取り組み/日本企業が抱える構造課題の解決に向けて 第2章 IT・デジタルプロジェクト成功に向けての準備 ●基礎を知るということ IT・デジタルリテラシーの基礎力/現実を理解する(1) テクノロジーの進化/現実を理解する(2) 社内のIT・デジタル経験/現実を理解する(3) ITベンダーの変化/現実を理解する(4) 企業のIT部門の人材問題 ●経営者のマインド改革 IT・デジタル投資を成功に導く4つのマインド/日本企業特有の3つのポイント/最も重要な「向かう気力」と「認める勇気」 ●組織構造の改革 あるべき組織構造とは/改革(1)システム部門の改革は急がば回れ/改革(2)CIO・CDOの任命は、強い意思を持ってやるべき/改革(3)CHROの寄り添いが必須 第3章 プロジェクトの各フェーズでやるべきこと ●3ステップと陥りがちな罠 大型案件ではウォーターフォール型開発を/3つのフェーズの罠 ●システム開発特有の事情 システム開発ならではの特徴/共通イメージを持ちにくい/用語が統一されていない/目的設定や費用対効果が曖昧になりやすい/責任分界点がわかりづらい コラム 状況悪化の元凶のひとつはコンサルティング支援にある? ●企画構想フェーズで押さえるべきポイント 企画構想フェーズの罠を回避する/目的と手段をはき違えない/あれもこれもと盛り込まない、目的や効果を後付けしない/スコープをしっかりと定める/対象外の領域への影響を見極める/事業側の合意を得る コラム グローバル企業だからシステムの統合や標準化が必須というのは誤解? ●企画構想フェーズに求められるマインド IT案件を特別扱いしない/当事者特有のバイアスを念頭に置く/ベンダーの計画をうのみにせず、自社のIT主権を取り戻す ●要件定義フェーズで押さえるべきポイント 要件定義フェーズの罠を回避する/企画構想で定めた方針を変えない/適切な粒度で要件を定義し、やりきってから次へ進む/事業部門がサインオフする/現状を是とせず、To Beを考える/実装フェーズの計画(テスト・移行など)の大きな方針を定める/データのポリシーやデータ構造を定める ●要件定義フェーズに求められるマインド ベンダーに丸投げしない/投資対効果を意識する ●実装フェーズで押さえるべきポイント 実装フェーズの罠を回避する/自社としてベンダーの仕事を評価する基準を持つ/安易に雁行せず、しっかりと立ち止まる/ベンダーの前提や見積もりを自社として検証する ●実装フェーズに求められるマインド 自社としての算段を持つ/空気感に流されないようにする 第4章 失敗から学び 失敗を活用する ●IT投資の見えない失敗 失敗の種類/進行中のプロジェクトにおける失敗対策/軌道修正の検証ポイント(1)目的や効果は明確か、当初掲げたものから逸脱していないか/軌道修正の検証ポイント(2)中身(品質、コスト、進捗)に問題はないか/軌道修正の検証ポイント(3)プロジェクトが適切に運営・管理されているか コラム 頓挫しがちなのはシステム開発プロジェクトだけなのか? ●「失敗」を繰り返さないためのIT・DX戦略 すべての日本企業が取り組むべきこと/IT・DX戦略の視点(1)戦略・ロードマップ:経営が関与すべき案件を特定する/IT・DX戦略の視点(2)ガバナンス・プロセス:経営レベルで注視する/IT・DX戦略の視点(3)組織・体制:自社にITの主権を取り戻す 第5章 日本企業が勝つためのアプローチ ●スタンダードプロセスからスタンダードデータへ 業界全体を変えていく/日本企業が遅れを取り戻すためには/基幹システムは「データを集めるもの」/守るべき基本から優先順位を考える/現場の忖度が余分なデータを増やす ●業界特性や企業規模特性に基づく対応 業界・規模別の効率化/共通システム活用の可能性/社会的基盤構築の目的 ●IT・デジタル人材育成 何のためにデジタル人材を育てるのか/いま求められているのは成熟した技術の活用 ●ITベンダー、企業、国が今後すべきこと ITベンダーがすべき競争と協業/成熟した領域に求められるもの/まずは「通訳」的人材から ●地域での連携の可能性 人材育成の内製化/業界間連携の例/政府や自治体の人材育成 |